協奏曲 第-1番 第二夜

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「協奏曲 第-1番 第一夜」
(※飛ばして読むと話が繋がらないので是非順番にお読み下さい)

 

協奏曲 第-1番 第二夜

 

高校を卒業して約1年が過ぎた頃、バイトの同期と久しぶりに当時の地で集まることになった。同窓会のようなものだ。当然その子も来る。皆別々の進路を歩んでいたがm〇xiを通じて繋がっていたので再び集まるのは容易かった。

俺は関西に戻ってから1年の間に他に恋愛もしたが、まだその子への未練はあった。いや、未練はないと思っていたが久々にその子と顔を会わせた瞬間に当時の気持ちが蘇った。

つい先日までその子のことなど忘却の彼方。別の女のケツを追いかけまわしていたのに会えば一瞬で目を覚まさせられた気分。まるで、日々出される安価なドッグフードに満足していた犬が、ある日 久々にビーフジャーキーを出されてその味を思い出し、ドッグフードに見向きもしなくなったように。

同窓会では思い出話に花を咲かせながら楽しく夜を明かした。

後日(翌日だったかな?)、俺はその子とアポを取り次いだ。その日のことはよく覚えている。夕方俺の運転する車でその子を迎えに行き、食事をした後、友人から聞いたおすすめの海辺の砂浜に行き、そこで朝まで語り明かした。

 

バイトの頃の話、最近の話、恋愛の話

この1年の空白を埋めるように俺たちはいろんな話をした。

その時その子は地元に住んでおらず、高校卒業から一年遅れで進学し、全く別の場所に移り住んでいて、そこで彼氏もできていた。

彼氏の愚痴もたくさん聞いた。

それと同時にやっぱり俺はその子のことが好きなんだと確信した。

もう何も悩むことはない。

 

 

後ろに仰け反りながらその子の顔を見ずに独り言のように呟いた。

 

 

 

 

「あのさ、そいつと別れて俺と付き合ったら?」

 

 

 

「え・・・?」

 

 

 

目が合った。

とても驚いた顔をしている。

夜明け前に砂浜で語り合ったと言えばドラマのワンシーンのようでとても聞こえは良い。確かにここまでの描写はとてもロマンチックに思われるかもしれない。

しかし実際は

 

「あぁ~そいつはダメだな。俺のほうがいいぞ!」

「まぁまぁ(^^)、ここは一つ騙されたと思って!」

「俺、前と違うしな!

 

 kai(改)だしな!」←言ってないw

あらゆる角度から俺に鞍替えすることを20回くらい懇願する「ボーイフレンドクラッシャー」とは程遠い哀れなものだった。

結局その日、答えを聞くことはなかった。

返事は直接会って聞きたいと伝えて解散し、またそれぞれの居住地に帰り、何事もなかったようにいつもの日常に戻る。

 

 

多分無理だと思った。

ダメならダメで仕方ない。自分の気持ちを一方的に伝えて勝手にやりきった感を味わう独りよがり。だがおかげで気持ちはすっきりした。

会って直接聞きたいというは俺のただの我儘だ。最悪このまま音信不通でも構わない。これは結果がダメだということを知るために必要な行動だったのだ。

 

 

だが後日、その子が返事を伝えためにわざわざ関西まで来てくれる運びとなった。

メールを見て自分の目を疑う。

俺の鼓動はここまで強く脈打つことが出きるのかと驚いた。

落ち着け俺

これはもしかするといけるかもしれない。

暗雲立ち込める空に一筋の光が差し込んだ。

 

大阪で会うのはとても違和感があった。出会った地でしか会ったことがないその子の背景に俺の地元の見慣れた景色が溶け込んでいる。

その日、俺はその子を海遊館に連れて行った。定番の天保山の観覧車にも乗った。

その後はとても自然に俺の部屋にエスコートして

 

 

 

やや強引だったがセックスに持ち込んだ。

それがその子との始めてだった。

 

俺たちは再び付き合うことになった。ドックフードがビーフジャーキーに変わった瞬間である。

後から聞くと実は断るつもりで来たらしい。

だが直接会ってから気が変わったそうな。

 

 

 

 

オンナハセックスシタアイテヲスキニナル

 

 

 

 

 

メルマガ通りじゃねえか!!

俺は関西で、その子は別の地方に行っていたので軽く遠距離恋愛のような付き合いがスタートした。

俺が向こうの1人暮らしの家を訪ねたり、たまに俺の1人暮らしの家に来てもらったりして月に2回ほど週末を共に過ごす。

1人で帰る帰り道は途方もない寂しさに胸が締め付けられた。

片道2時間。学業とバイトを両立させながらこの生活を送るのは負担ではあったが卒業するまでの辛抱だと自分に強く言い聞かせた。

ある日には、ネットの(クソな)恋愛コラムを読み「彼氏にされて嬉しかったことランキング」に「手紙」が入っているのを見てサプライズで手紙を書いて渡したこともあった。何をとち狂ったのかその手紙と一緒に将来の自分に向けた手紙まで預けたことも…

当時の俺が目の前にいれば100発くらい顔面を殴り、地面に横たわった丸太みたいな図体を地底100mくらいに埋葬して放射性廃棄物のように完全に隔離したい。

手紙の内容は覚えていないが恐ろしくて見たくもない。今の俺にとって核兵器並みの破壊力を秘めていることだけは間違いない。の一番の脅威はテポドンや北朝鮮などではなく過去の俺なのだ。

 

誠実が善と疑わず、浮気ももちろんしなかった。遠距離だからこそ尚更誠実さに欠けると関係が危くなるという危機感も感じていた。まるで腫れ物にでも触れるかのようにどこまでも優しく接していたと思う。

 

だが、またそんな日々も長くは続かなかった。

 

突然メールで一方的にフラれてしまう。今回はさすがに理由が知りたくてすぐに電話をかけたが何回かけても出ることはなく、メールの返信が来ることもなかった。

何がダメだったのか教えてほしかった。

願わくばそれを直すからやり直したいという一心だった。

今思えば鼻で笑ってしまうが、卒業して就職して収入が安定すれば結婚したいとさえ思っていた。そして多分その思いも手紙に書いたような気がする・・・死にたいです。。

 

その後も音信不通のまま状況が変わることはなかった。

悶々とした。

ふてくされた。

ただただ凹んだ。

「なんでうまくいかなかったんだ?」

そして、きっと上手くいかなかったのは遠距離のせいだと自分を慰め始めた。

「物理的距離が近ければこんなことにはならなかったはず!」

「上手くいかなかったのは距離が遠かったからだ!」

「これは仕方のないことだったんだ!

 

数週間後に共通の友人から、その子が俺と別れたのと時を同じくして別の男と付き合ったことを知らされた。

もちろん凹んだが、まぁ年頃の子なんだし(お前同い歳な)距離が遠い彼氏より身近な彼氏だよな。うんうん。

 

遠くのイオンより近くのセブンイレブンだよな、と思った。

 

 

しかし

 

 

 

 

 

 

 

 

その男も俺以上の距離の遠距離恋愛であった。。。。

 

 

 

・・・・・・

 

 

 

 

 

 

?????

 

 

 

 

おぉぉぉぉぉいいい!!!

 

 

なんでそっち行ったぁああ!!!!

 

近場でええやんけぇええ!!!!

 

 

近場なら距離を言い訳にできたのに…

 

 

 

え?てか待って…自分、、

 

何でわざわざ遠距離攻めたん??

 

遠距離キラーか!? そんな性癖あったんか!?

 

 

しかもその彼氏…

 

 

俺よりさらに1時間半遠いらしいやんけ!!

 

てめえやっぱ遠距離キラーじゃねえか!!

 

 

いや…距離の競り合いなんてどうでも良い。(遠距離キラーってなんやねん)

つまり遠距離が別れる理由でなかったことだけは俺の心にトドメの一撃を食らわすのに十分な破壊力だった。あの野郎わざとやってんじゃねえのかとさえ思った。

 

この事実を聞かされて衝撃のあまり悶え苦しんでいる半泣きの俺の姿を見て、ケラケラと笑い転げている友人を横目に殺気があふれ、こいつの首を締め上げて通天閣に吊るしてやろうかと思ったがギリギリで思いとどまった。

やめよう。これ以上犠牲者を出してはいけない。それに俺が逆に吊るされる可能性もある。

通天閣はいやだ。どうせ吊るされるならスカイツリーがいい。(当時はまだない)

とにかく目の前で笑い転げている友人(仮)に罪はないのだ。

腸が煮えくり返る思いだが

 

俺は今一度我に返り、恋愛(と友情)について深く考え始めた。

 

誰かをどれだけ強く思っても結局は相手次第だ。

それを俺にどうすることも出来ない。

 

 

恋愛というのがこんなに苦しいなら

 

 

 

こんなに辛いのなら・・・

 

 

 

 

 

愛などいらぬ!!

 

サウザーさん、使わせて頂きましたw)

第三夜に続く