協奏曲 第n+1番

8月某日13:00 猛暑日

厳しい日差しが照りつける中、俺は自宅最寄り駅から少し離れた主要駅の迷路のような地下街をうろついていた。

今回は昼アポだ。なぜ昼アポなのかというと、相手の家がド田舎で21時の最終バスに乗らなければならず、そのためには20時に主要駅を出て地元駅へ帰らなければいけなかったからだ。

20時解散から逆算すると本日の予定は下記の通り。

20:00  集合駅

~19:30 kai邸最寄り駅で解散

~19:20 kai邸アウト

~16:30 kai邸イン

~16:00 レストランアウト

14:00 集合

相手は先日合コンで知り合った郵便局に勤める〒子(読み:ゆうこ)。見た目は20代だが中身はアラサーだ。歳を聞いた時は若くても年増でも過敏に反応しないように心がけている。

待ち合わせ場所に〒子が現れた。

「さっきこの辺歩いて店探しててんけど、昼から飲めるとこがあんまなくて。あっちに店あったからとりあえず行ってみよっか」

そう言って先ほど歩き回って目星をつけていた居酒屋へイン。カウンターに並んで腰掛ける。昼間でガラガラだ。

飲み会では大して会話もせず、LINEのやりとりもアポの約束のみ。前回記事(モテと非モテを分かつもの)で解説したとおりアポのために特別なやりとりなど必要ない。相手の話を一通り聞いて和んだ後に質問がくる。

「kai君は何の仕事をしてるの?」

「仕事?するわけないやんそんなの(^^)」

「えw無職なの?www」

「そうやで」

「お金どうすんのw」

「生活費は妹の財布から抜き取ってる」

「wwwww」

「あんまり抜きすぎるとバレるから結構難しくて」

「えぇー、最低ww」

「いやいや、めっちゃ優しい兄やから」

「どこがww

 で、本当は何の仕事してるの?」

「そういえば最近ネットで記事書いて収入あってん」

「え!ライターみたいな感じ?」

「そうそう、

まぁ今日火を付けるのは〒子のハートやけどな☆」

 

 

読者諸君、安心してくれ。

言ってない。言いたい気持ちを押し殺して喉元で止めた。

こういうネタは俺のキャラを知っている相手なら笑って済まされるが、未セクにはリスクが高すぎる。ハートに火をつけるどころか俺が大火傷を負いかねん。炎上するのはツイートだけで十分だ。

そうこうしている間に時間が押してきたので店を出る。

さて、ここからが本番だ。

腕時計を見ながら〒子に問いかける。

「なぁ、まだ時間あるし、※○○行かない?てか来たことある?」
(※〇〇俺の家の最寄り駅)

「行ったことない」

「じゃあ行こう。何もないとこだけど」

その後すぐに話題を変えて電車に乗り込む。隙は与えない。また、自宅まではタクシーで向かっても良かったが、それをすると帰りもタクシーで送らなければ「帰りは電車かい!」とやすえ姉さんなみのキレツッコミをくらいかねないので電車で向かうことにした。笑

15分程で自宅最寄り駅に到着

「家この近くなの?」

 いい質問ですね~

 

 

 

池上彰が憑依しかけたが振り払う。こんな台詞言われても相手からすれば「は?」だ。

「うん。てかもう見えてる。せっかくだしちょっと寄ってこう、茶ぐらい出すからさ。綾鷹あんねん!」

端からそのつもりのくせしてぬけぬけとkai邸へ誘う。誘う理由など何でもいい。グダれば更に「伊右衛門もあんねん!!」とか適当に理由をつけ足せばいいだけだ。

特にグダる素振りも見せなかったので、その様子を横目に俺は今回の協奏曲の完奏を確信した。

kai邸イン!

飲み物を出して2人掛けのフロアソファに座る。フロアソファとは足のない座椅子みたいなやつだ↓

 

小さめのソファは自然と距離が近くなるのでお勧めです。

「部屋、何もないでしょ」

「テレビもないね、見ないの?」

何気ない会話をしながら距離を詰め、その後ベッドになだれ込み〒子と向かい合う。

雰囲気は仕上がった。

あとはなし崩し的に攻めるのみ

頭を撫でていた手を徐々に下げていく

 

 

「ちょっとw」

グダ発生

まぁ形式グダだろう

わかる。誰だってすぐ寝る軽い女と思われたくない。

 

「俺はセックスした人しか好きにならない」

 

・・・決まった。完璧だ。

これで崩せなかったグダなど一度もない。

キスをしながら服を脱がそうとする

 

 

 

「ちょっとww

 え?まってまってw」

「なに?(^^)」

「いつも付き合う前にするってこと?みんなそうだったの?」

「そうやけど」

「した後に皆付き合ったの?」

「それは場合によるでしょ。向こうにその気がない場合もあるし」

「したら終わりじゃないの?」

「俺は始まりだと思ってる」

グダるグダる、まるで元気いっぱいの5歳児のように

立て続けにくる質問攻め、完全に脇が甘かった。

しかし揺れ動いてる感はある。

仕方ない。とっておきのアレを使うか。

あまり使いたくなかったがやむを得ん。

一呼吸置いてから俺は笑顔で再び〒子の目を見ながら最終奥義を繰り出した。

 

 

 

 

「まぁまぁまぁ(^^)

説明しよう!「まぁまぁまぁ(^^)」とは「まぁまぁ、立ち話も何ですから(^^)」と玄関前で立ち話する主婦が自宅に招く際に使うクロージングを参考に編み出したkai流究極奥義。もちろんこの場合立っているのはkaiロールで招いてもらうのは〒子邸なのだが。グダが発生する度に使える応用の効く大技である。

これで崩せなかったグダなど一度もない。(2回目)

さぁ、どうだ!!

 

 

 

 

 

 

「ちょっとww待ってw」

 

くっ・・・何だこの力強い抵抗は…

この華奢な体のどこにそんな力が眠っている?

Twitterで皆さんがよく言っている「ダメと言いながら手に力が入っていない」の真逆

 

 

めっさ力入っとる!!

 

この女なんっちゅう力やっ!!

あかん!

 

 

 

あかんみたいや!!!

 

「kai君さ、ちょっと待ってよww

 てか、家来ちゃってるし…」

今更かっ!!

な、なにを今更、人の家のベッドで寝転がりながら言う台詞か!

「でも意外!kai君って真面目な人だと思ってた」

「真面目アルヨ」

「www これからはチャラ男と呼ぶねwおぃ、チャラ男!w」

まぁ他人への貸しをチャラにする俺は、ある意味チャラ男と呼ばれるに相応しい男かもしれ・・ってそんなことはどうでもいい。

この無駄に固いガードを崩すには骨が折れそう(物理的に)なので、早々に諦めてその後はピロートークならぬ疲労トークへ。

自宅はホテルより成約率が下がる。好きとか付き合うなどの口約束をすれば多少成約率は上がるかもしれないが、その後面倒になりそうなことはしたくない。それに語弊があるかもしれないが実は俺はそこまでセックスに拘っていない。ダメならダメでそれでいい。残念ではあるがまた次頑張ればいいだけだ。数を追うことにも興味はない。アポ記事では俺の膨大な失敗談とたまにの成功談を書いていきたいと思っている。

その後、時間が来たので〒子を最寄り駅まで送る。

19:30 健・全・解・散  orz

うつむきながら視線を腕時計に向ける

なんだ、まだ19:30じゃないか

こういう時はこのフラストレーションを糧にストナンするに限る。

そうして俺は〒子を見送った後、逆方向の繁華街へ次なるネタを探しに新たな一歩を踏み出していった。

終演!!

 

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◆ 告知 ◆

8月27日(日)お昼頃 Kazさんとツイキャスします!

お楽しみに!!!