ここしばらく自己啓発系の記事を書いていたがそろそろ飽きたので、今回は社会保険について書こうと思う。
企業は雇用する従業員(正社員)を厚生年金、健康保険に加入させなければならない。毎月の給与から天引きされてるアレだ。中小企業にとって、毎月支払う社会保険料はボディブローのように地味に効いてくる。
天引きされるなら事業主負担なんてないやん!と思った新社会人の皆さまには今すぐ飛んでいってラリアットをくらわせてやりたいが、あれは会社側と折半している。いや、厳密に言うと会社側の負担額のほうが多い。従って企業が社員を雇用する時の一人あたりの実質負担は、給与総支給額の1.3倍ほどとなる(社会保険料、経費、福利厚生など含むと)。
この保険料負担がキツいので、社員には国民保険に入るように促して、社会保険の加入から逃れるゴミ事業者は全国に80万社を超えている。まぁリクルートやマイナビで新卒採用するような企業で未加入のところはない。全て中小、零細のブラック企業だ。
もちろんそれでは加入事業者と不公平が生じるので、社会保険側は未加入事業者に加入を促したり、ペナルティを課したり、時にヘコヘコお願いすることもある。(何も持たない会社からは何も奪えないww)
加入事業者にも3~4年に一度、総合調査が行われる。内容は、該当社員を適性に加入させているか、報告してきた給与が正しいか(過少申告していないか)、変更があれば届け出ているか、等のチェックだ。
会社側が報告する給与とは、算定基礎届に記載する月額報酬のことで、毎年3月~5月分の給与が対象となる。重要なのは残業代や手当なども含めた給与総額が報告対象ということ。そのため3月~5月は残業を抑えたり、事業主と相談してその間の残業代を6月分の給与に回すことで社会保険料を抑えることも可能だ。(基本給が変わらない限り、残業代がいくら変動しても社会保険料は1年間変わらない。)
当たり前だが社会保険料は低いほどいい。これを言うと年金は多く納めたほうがより多くもらえるじゃないか!との声も聞こえてきそうだが、お前の能天気な頭には5枚くらい皿でも落としてやろうか。
年金など既に破綻している。GPIFの運用実績がどれだけよかろうが少子高齢化、長寿化の負担増は賄えない。今後も支給年齢の引き上げと受給額の減少は続くし、そもそも年金以前にこの国のデフォルトを警戒しろ。
それに健康保険は医療費の3割自己負担だが、この負担割合に掛け金は関係ない。よってやはり社会保険料は低いほどいい。その分所得税が多少増えてもだ。(※所得税は給与総額から社会保険料を引いた金額から算出される)
で、先日、総合調査の呼び出しがあったので、クソ重い書類を持って所轄の厚生年金事務所まで行ってきた。
お前が来いよ。 pic.twitter.com/fcmhXYGJ3T
— kai (@kai25_8) May 24, 2017
普段、元気いっぱいに飛んでくるクソリプを、まるで愛娘のイタズラのように笑顔で眺める仏の俺も、この時ばかりは心を鬼にして不愛想な態度をとる。重い書類まで持たせた上、日時指定で呼びつけるとはどういう了見だ。お前が来いよ、という話。そのため先方はとても低姿勢。よく怒られるのだろう。
チェックは驚くほど雑で15分程度。あんな大量の書類を15分でチェックできるわけがない。そのため仮に過少申告していてもそこまで大きな差異がなければ見つからないし、気付いても見て見ぬふりをする場合もある。大きい声では言えないが俺も自分の月額報酬を過少申告している。今回も気付いてないのか、見逃してくれたのかは知らんが問題なく終わった。
社会保険なんてこんないい加減なものだ。正直者がバカをみる。こんなの営利目的の民間ならあり得ないし、そもそも公営でやることではない。さっさと潰せばいい。代わりに保険会社が喜んで参入して、情弱向けに素晴らしい商品を提供してくれるだろう。
営利目的なら徹底したチェック(加入者側、病院側)はもちろん、受給者への出し渋り、資産運用、また医療費自体を減らすこと(予防医療で保険料の割引等)で一瞬で黒字化出来る…とわかっていても「じゃあ潰そうぜ☆」といかないところが日本人の教養の低さであり、我が日本国が衰退している根因である。
まぁ社会保険を民営化して、加入自体が自由になったら保険には入らないけどなw
終演!