「年内でやめたい」と従業員に言われてしまい急遽予定外の求人を出すことになった。
理由を聞けば「いいとこ見つかったから」と。今までこちらから辞めてもらったことはあっても辞めたいと言われたことはなかった。転職先も決まっているなら止めようもない。そもそも去る者は追わない。しかしどんな条件だったのか気になる…
その後すぐに広告代理店に求人掲載を依頼した(月曜)。木曜日までに入稿すれば翌週月曜からの掲載に間に合うとのことなので求人の原稿を提出。費用は2週間掲載で12万円とめちゃ高い。自社のホームページにも求人情報の詳細をアップした。
求人サイトでは掲載スペースが限られるため条件や業務内容の詳細は自社ホームページに記載してそこに飛んでもらうようにしている。求職者と仕事のミスマッチは極力防ぎたいのでなるべく細かくありのまま書く。良い面ばかり書いて悪い面を伏せれば応募数は増えるだろうが働いてみて相違があって辞められたら意味がない。
同業他社の求人で月給60万の見出しで釣って内容をよく見れば平均実績35万の記載とか騙し討ちのようで滅茶苦茶印象が悪い。うちは逆に実際の支給額より低い月給35万~の見出しでそれより高い平均月給実績を記載する。(下記は例)
・2019年 平均月給405.851円
・2020年 平均月給419.084円
平均的な勤務時間、勤務時間が変則的であること、月2回くらい遅くなる時もあること、土曜出勤あり等の負担な面、業務内容の詳細や写真を掲載。特に負担な部分は離職理由に直結するのでありのまま記載している。
広告代理店には「今の時期は求人数が多く求職者が少ないので2週間の掲載で4件程度の応募が見込まれます」(少なっ!!)とか「追加料金で他の媒体にも載せましょう」とか営業されたが蓋をあければ次々と応募があったので電話で面接する人を厳選した。
当たり前だが電話の時点で面接は始まっている。もっといえば求人サイトに掲載されてから応募までの時間や求職者が記入する箇所(住所、勤務開始可能日等)を埋めているかで本気度も伝わる。応募ボタンをポチるだけより詳細も記入するほうが手間なので印象がいい。
電話では求人内容をちゃんと見たのか「経験者の募集ですが経験ありますか?」等確認する。たまに応募ボタンを押しまくってどこの会社からの電話かわかっていない人もいるのでそういう人は除外。
中途採用しかしないので面接では応募者の職歴を見ながらどんな仕事をしてきたか、労働時間はどのくらいだったか、給料はいくらだったか、土日祝の出勤はあったか、なぜ転職したいのか、なぜ前職を辞めたのか、家族はいるか、弊社の仕事の負担な部分は大丈夫か等を聞いてる。
相手にとってうちで働くメリットがあるか確認することで仕事が続くかを判断。前職より給料がよかったり、労働時間が短かったりといったメリットがなければお互いのためにならない。
また、何を話すか聞いてくるかでどういう人柄か推測。自分に仕事が出来るかどうかの不安を払拭するための質問なら聞いてくる人のほうが真剣度が伝わる。あまり前職の愚痴や不満をぶつけられまくるのは元彼の愚痴を言いまくる女のようで印象が悪い。が、他社の劣悪な労働環境を聞くと同情する。
注視してるのは自己視点だけで見てる人なのか、相手のことも考えられる人なのか。
これをたった15~20分ほどの面接で判断するのだからめちゃくちゃ悩む。ぶっちゃけダメな人はすぐわかるが、出来そうに見えて実は全然出来ない人や口だけ達者な人を面接だけで見抜くのは難しい。
恋愛(モテ)や仕事(金)、あらゆる面で読解力や洞察力は最強のスキルだが当然採用活動でもこれらが高ければ良い人材を見つけられる。むしろ良い人材がいないのは相手が悪いのではなく雇用条件が悪かったり見極める目がなかったり全て自分に非がある。
昔は散々失敗したがここ数年は3~4人雇ってみて失敗がないので精度はあがったような気がする。
これだけ語っておいて今回採用する人がすぐに辞められたら全く笑えない。こればかりは1~2週間ほど雇ってみなければわからないガチャなのでいつも不安と期待が入り混じる。今回雇う人も仕事できる人であることを願う。