高知県奈半利町を調べてみたらすごかったのでちょっと聞いてほしい。
奈半利町はふるさと納税返礼品のコスパが良い自治体で有名で、我々ふるさと納税愛好家で知らない者はいない。
主なコスパの良い返礼品は寄付額8,000円の胸肉6kgや寄付額10,000のササミ10kg、寄付額10,000円のカツオのタタキ3kg、寄付額10,000円のホタテ刺身2kgなどがある。肉(鶏、牛、豚)や魚(マグロ、カツオ、しらす)に強い自治体だ。
何がすごいかというと奈半利町は人口3,200人で今なお減り続けている過疎地域市町村、おまけに高齢者割合は41.9%(全国平均27.2%)の弱小自治体だ。当然役所は小規模だろうし、畜産や漁業も小規模なはず。にも関わらず2017年の寄付額はなんと39億!年々えげつないペースで増えている。2018年は60億くらい集まったのではないだろうか。ふるさと納税ポータブルサイトふるさとチョイスの自治体ランキングではなんと数多の自治体を抑えて月間閲覧数No,1。
こんなことを言っては失礼だが、こんなちっぽけな役所が全国の数多の役所とガチンコ勝負して勝っているのだ。童貞が深田恭子さんを落とすようなもの。いや、草野球チームが阪神を倒すようなもの。信じられない…。
よほど有能な職員がいるのか、町長がイケイケなのかはわからないが、ふるさと納税の寄付金争奪戦とは我々営利目的の企業同様、競合他社との競争だ。勝つためには商品の仕入れ、質、価格設定、在庫管理、顧客や協力企業への対応、顧客満足度向上、販促戦略に至るまであらゆるスキルが必要とされる。法律の整合性や正確さが重視される公務員とは求められるスキルが異なる。
まず、魅力的な返礼品(商品)が何より必要で、それには畜産農家や漁協の人たちとの協力が欠かせない。商品のラインナップ、掲載画像の編集や丁寧な説明文、競合(他の自治体)の返礼品のリサーチ、業務効率化などあらゆる工夫もしただろう。外注したとしても選定にはセンスが問われる。それを町民たった3,200人の役所がやってのけたのだ。すごすぎる…。過疎化で財務悪化した自治体が企業努力ならぬ役所努力で税収を増やした実に素晴らしい例。
ふるさと納税で税収が増えれば財政が改善するというメリットはあるが、恩恵はそれだけではない。寄付がたくさん集まれば返礼品を提供する事業者の売上や雇用が増える。それにより事業による税収(法人税)も増えたり、事業者や従業員の給料が上がれば所得税や消費による税収も増える。
また、地名が有名になれば俺のように興味を持った観光客の増加も見込める。観光客が現地で金を使うことでさらに地域は潤い、SNSで拡散されるとさらに知名度は上がり、やがて観光地として認知される。と、このように全てが好循環する。
奈半利町を調べていたらとても興味が湧いてきたので早速来月行ってみることにした。リプで色々教えて頂きました皆様本当にありがとうございます。良さげな店ばかりで今から楽しみです。まだまだ情報(高知・徳島)お待ちしています。
事前調べではマジで何もないところだ。グーグル・マップのストリートビューも見たが本当に何もない。だから行ったところで特に何もないのはわかっている。だが行ってみたい。奈半利の地に足をつけてみたい。
あと奈半利町について一つだけめっちゃ気になることがある。
それは、、、
寄付金の使い道の実績報告が開示されていないことだ!
まぁ、返礼品目当てで申し込んでる人ばかりなんだから好きに使えばいいんだろうけど。
気になる。
と途中まで書いていたが、さらに調べてみると品切れ中の返礼品のところに寄付金の使途が記されているのを発見したので追記する(もっとわかりやすいところに掲載してよ…。なんで実績報告のところに記載しないの。)
【 奈半利町ふるさと納税使途一覧 】
・出産祝い金 290万
・保育料無料化 1,362万
・町民会館の図書館整備 150万
・小中学校の図書整備 35万
・小学校グランド照明整備 885万
・ちびっこトライアスロン実施 540万
・水産物加工工場建設 2147万
・農産物加工工場建設 2048万
・漁獲量を上げるための稚魚放流 172万
・みなと祭り 継続実施 840万
・漁業後継者対策 675万
・集落交流事業 244万
・集落活動センター建設 2430万
・農業支援 144万
・サンゴ遊覧船運行支援 181万
中でも水産物や農産物の加工工場の建設はふるさと納税返礼品の増加に対応するため、幼稚園の跡地をリノベーションして作られたらしく、そこで作られたものはふるさと納税の返礼品だけでなくオンライン上でも一般販売されている。働いているのは町民の高齢者で、過疎地域に雇用が生まれている。加領郷魚舎(かりょうごうなや)という名称で店頭販売もしているらしいので視察予定。
ふるさと納税で多額の寄付金集めに成功し、潤沢な資金を少子化対策や地元産業活性に繋がるものに注ぎ込む。返礼品で地元産業を活性化させ、雇用も創出、地名も広まり、俺みたいに興味が湧いて行こうとする変人まで現れ始めた。このまま寄付額が純増すればベーシックインカムもできるんじゃないのか?
仮に2018年度の寄付額が60億だったとする。返礼品のコストが40%とたら税収は36億。これを3,200人の町人で割ると…
年間112万5千円!!
月に10万あったら最低限の生活は出来るので(ていうか国民年金6.5万だし、奈半利町地価低そうだし)既にベーシックインカム可能だ。予算組んでやればいいんじゃないの?何より話題になる。住人増えたら受給額は減るけど、人が増えたら仕事は増えるし、地価は上がるし、町が活気づくし。
しかし奈半利町、改めてすごすぎる。
これさ
マジで映画化したらいいんじゃね?
終演!